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グラスリッツェンの歴史
手彫りガラス工芸
千葉県佐倉市グラスリッツェン工房Sorriso

グラスリッツェンという言葉を初めて耳にしたという方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
Glasritzen(グラスリッツェン)は、ヨーロッパ伝統の「手彫りガラス工芸」です。
ドイツ語でGlas=ガラス ritzen=傷をつけるという意味です。
別の呼び方で、ダイヤモンド・ポイント彫りともいい、先端にダイヤモンドの付いた専用のペンで、ガラスの表面に細かい線や点などを彫刻する技法です。

発祥

16世紀、レース発祥の地ヴェネチアで、ガラスにレース模様を装飾するために始まったと言われています。
その後、イギリス,ドイツ,オランダなどヨーロッパ中に伝わり、上流社会の間で大流行しました。
手で彫るという繊細な技術ゆえに、作品は世の中に大量に出回ることはなく、いく度も流行と衰退を繰り返してきました。

現在では

ヨーロッパで発祥した当時に比べたら、格段にダイヤモンド針の品質が向上し、手軽にガラスに彫刻することが出来るようになりました。
けれども「ダイヤモンドチップのついたペンを使い、手で彫る」という基本的な手法は変わらないのです。

ガラス器と専用の針があれば、ほんの小さなスペースで始める事が出来ます。
ゆったりとした時間に身をまかせ、少しずつ彫りすすめていく楽しみ。
ほんの少し、ヨーロッパ貴族になった気分にも・・・。
さあ、あなたも ~自分だけの時間~ を持ってみませんか?
大人のための「人とはちょっと違う趣味」 はじめてみましょう。。

グラスリッツェンの道具

ガラスに装飾をすると言っても、火や大掛かりな機械などは使いません。
専用のダイヤモンド針とガラス器、あとは身のまわりにある道具ではじめられます。

  • 図案を切り取るはさみ
  • 油性ペン
  • セロハンテープ
  • 除光液
  • 専用の針とホルダー
  • ガラス器
千葉県佐倉市グラスリッツェン工房Sorriso
本当のグラスリッツェン
千葉県佐倉市グラスリッツェン工房Sorriso

昔からあるものなのに、(日本にも江戸時代に輸入されています)大量生産されることがなかった為、広く一般には出回ることがありませんでした。
現在日本で見られるものでは、
神戸市立博物館所蔵の《ダイアモンドポイント彫りライオン紋章ビーカー 》
箱根ガラスの森美術館の《ヴァンジェリスティ家紋章文コンポート》などが、代表的なものですが、グラヴィールやカットガラスなどの作品に比べたら、格段に数が少ないと思います。
とても手間がかかって、繊細なものなのです。

グラスリッツェンを初めて知ったという方に、体験教室の前などに見本に触れていただくのですが、皆さん一様に
「えっ・・・?ほとんど、削れていないんですね」と、同じような反応をされます。
手彫りガラスと言っても、彫刻刀で木を削るように深く彫るのではなく、ガラスの表面を軽い力で、引っかく(スクラッチ)ようにして傷をつけ、すりガラス様に白くなった所が、模様になるのです。

最近では、100円ショップのお店などで手に入る、「電動リューター」という機械を使って彫ったものが、一部ではグラスリッツェンと称されている事もあるようです。
リューターを使うと確かに、早く白く彫ることが出来ます。けれども、少しずつ針を動かして線を彫り重ね、丁寧に仕上げていく手彫りがグラスリッツェンの本来なのだと言う事は知っていただきたいと思います。